夜間、アメリカの外出先で突然車が動かなくなり、レッカーされた時の顛末について興味がある方に向けた記事です。
こんにちは、アメリカ駐在員のユキヒョウ。(@Yukihyounet)です。
クルマ依存の国、アメリカ。
アメリカに来て4年目。
その間、車に乗らなかったのは海外出張中か病気で寝てた時ぐらい、と言ってもいいほど毎日運転します。
それほど車は日常生活に欠かせない手段となっており、どこに行くにも車が必要なのですが、先日、外出先で車が動かなくなりました。
これまでパンクやバッテリー上がりなど、自宅のパーキングではありましたが、外出先では初めて。
しかも夜間。。
外出先で車の突然の事態に遭遇してもパニックにならないよう、私のケースをシェアしますので参考にして下さい。
- アメリカでのロードサービスの呼び方がわかる
- レッカー(トーイング)車を呼んでから車両が搬送されるまでの一連の流れがわかる
- 外出先での車の突然の事態にも焦らず対処できる
突然、車のハンドルが動かなくなる
アメリカ太平洋時間の午後6時半頃。
ちょうど、東京本社と電話会議をしていました。
私が会議のイニシアティブを取っていたので、そろそろクロージングに入ろうとした時、妻から私の携帯にテキストメールが。
「車のハンドルが固すぎて動かせない。気のせいか車の中もオイルの匂いがする。」
この時間帯は子供をバスケの練習に連れて行った帰りのはず。
家までは歩いて帰れない距離じゃないけれど、子供と一緒だと1時間はかかるかも知れない。
そして何よりも暗くなってしまう。
この辺りは治安がいいとは言え、妻と子供2人を暗いなか歩いて帰宅させる訳にはいきません。
腕時計にチラチラ目をやりながら若干早口で会議をクローズさせ、足早にオフィスを出ました。
現場に到着し、いったん自宅に帰る🐸
エンジンはかかるけれど、ハンドルが動かない(てか超重い)。。
以前、同じような事象(ハンドルがガタついて固くなる)で修理をしたことがあったので、パワステポンプが逝ったとすぐに分かりました。
念のためボンネット(アメリカではHood「フッド」と言います)を開けてみると、オイルが漏れて噴射した跡がある。
時間はもう、午後7時過ぎ。
車は自走できる状態にないし、もう修理工場はどこも閉まっている。
しかも、その駐車場には「夜11時から翌朝6時まで駐車禁止、違反車はレッカー移動(アメリカではTowing「トーイング」と言います)」との看板が。
もちろん、その場合にかかる費用は違反者の負担。
看板に書いてある管理会社に電話しても「業務時間終了」の自動音声が流れるだけ。
(はてさて、いったいどうしたものか。。
ロードサービスに電話して、いったん家までトーイングしてもらい、
明日の朝、改めてトーイングで修理工場に行くしかないかな。。)
とりえあず、不安そうにしている家族を私の車に乗せ、いったん自宅に戻ることにしました。
トーイング(1回目) 外出先から自宅まで
自宅に戻り、トーイング手配のためすぐさまロードサービスに電話
私は日本語サポートのある「プレミオカーライフサポート」のプライム会員なので、トーイングは全額無料になると思っていました。
ところが、電話で問い合わせてみると「無料にならない」ことが判明。
全額無料になるのは
- 現場から指定の最寄り修理工場までのトーイングで、かつ、7日間毎に1回だけ
さらに、
- 現場から指定の最寄り修理工場でない場所(=自宅や任意の修理工場)への搬送の場合、補償額は$100まで(超えた分は自己負担)
- 利用回数は無制限だが、7日以内に再びトーイングする場合は自己負担(つまり、翌朝もう一度トーイングする場合、その2回目のトーイングにかかる費用は全額自己負担)
- 尚、トーイングには会員本人の現場立会が必要
とのこと。
従って、今回のケース(外出先、夜間で修理工場は既に閉まっている場合)の選択肢は以下の3つ。
- 翌朝、修理工場が開く時間まで待って、指定の最寄り修理工場にトーイング(全額無料)
- 翌朝、修理工場が開く時間まで待って、任意の修理工場にトーイング($100まで補償)
- いったん自宅にトーイングし($100まで補償)、翌日改めて修理工場にトーイング(全額自己負担)
前述の通り、夜11時には駐車場を出なければいけないので「③」を選択するしかありません。
電話口で「③」を伝え、トーイング業者の手配が完了するのを待つこと約30分。
プレミオカーライフサポートから
「業者は見つかったが、夜間のため現場への到着は1時間から1時間半後になる予定」
との折り返しあり。
早くて1時間後と聞いて気が遠くなりかけましたが、その電話を切った直後に見知らぬ番号から着信が。
「こちらトーイング業者。あと5分くらいで現場に到着するけど、どの辺で待ってるの?」
「え、1時間じゃないの?」
「いや、もうあと5分もかからない。急ぎなんでしょ?」
このように謎の時短が発生したため速攻で現場に向かい、愛車がトーイングされる姿を見守りました。
この時、頭の中に流れていた曲は当然ながら「ドナドナ」。。
「かわいいマイカー 牽かれてゆくよ
悲しそうな瞳で 見ているよ…。」
そして家に帰ると、時間はもう夜10時過ぎ。
費用は100ドル以内だったので、追加料金は発生しませんでした。
※一日目終わり。翌朝に続く
トーイング(2回目) 自宅から修理工場まで
そういえば、AAA/トリプルAにも加盟してなかったっけ?
AAA(American Automobile Association、全米自動車協会)とはアメリカ最大のロードサービス会社。
ロードサービスのみならず、レンタカーや旅行、レジャーでも様々な特典があります。
モーターモームのレンタルで5%OFFの特典があり、それだけで年会費($50、AAA Southern California Classic会員の場合)が回収できるので加入していたことを思い出しました。
▼キャンピングカーを個人でレンタルする手順▼
調べてみると、「現場から7マイルまではトーイング無料」であることが判明。
いつもお世話になっている修理工場までは約5マイル。
2回目のトーイングは全額自己負担を覚悟していましたが、AAAを利用することで無料になりました(ヒャッホーイッ)!
※参考までにプレミオカーライフサポートとAAAのサービス比較表(プレミオ側で作成)は以下Webサイト
(https://www.pls.premio.com/pdf/CLS&AAA.pdf)
トーイングを自己負担した場合の費用
ちなみにトーイング自己負担の場合の相場をヒアリングしましたので、参考までに。
基本料金: $80~$100(1回の出動)
搬送費用: $8~$10/マイル ※一般道路の場合
従い、5マイルのトーイングを全額自己負担する場合は$120~$150の出費になる計算です。
もしもロードサービスに加入しておらず、1回目のトーイングも自己負担だった場合、計2回のトーイングで少なくとも合計$220~$250は掛かったでしょうか。
私の場合、プレミオカーライフサポート(プライム会員 $90/年)とAAA(Classic会員 $50/年)の両方に加入しており(年会費合計$140)、一見「冗長」のようにも思えましたが、
今回のケースでは「両方に加入しておいて良かった」という結論。
修理保証(Warranty)についての失敗談
修理工場に到着し、翌日の昼には完全復活!
予想通り、パワステポンプが故障していて、機器をまるごと交換。
修理費用は機器代と工賃をあわせて約$700でした。
(つい、こないだ同じような修理したばっかりなのになー…。)
と思いながらも、この時は車が直ったのに浮かれててそのまま家に帰りました。
その2日後。
(あれ、同じ箇所ならもしかして修理保証の対象じゃね?)
急いでInvoiceを確認すると「全ての修理は24ヶ月以内または24,000マイル以下であれば保証対象」とある!
前回の修理は2017年の2月、走行距離も24,000マイル以下ッ!
ッしゃあッ!!
喜び勇んで修理屋に行き、前回修理した時のInvoiceと今回のInvoiceを提示して返金をお願いしました。
以下、やりとり(少し長いです、あしからず)
私 「修理保証対象のはずだから返金して欲しいんだけど」
店員「ちょっとInvoice見せて」
私 「はい、これ。コピーとってもいいよ。この前の修理と同じでしょ?」
店員「・・・なんで支払う前に言ってくれなかったの?」
私 「確かに言わなかったね。でもここで修理したんだから、お店でも同じ情報持ってるでしょ?」
店員「そうだけど、言ってくれないと分からない。お客さん全員の修理履歴を覚えておくことなんて無理」
私 「それもそうだね、でも保証対象なんだから返金してね」
店員「・・・残念ながらできない」
私 「え、何で?」
店員「返金するにはメーカーに故障した部品をエビデンス(証拠品)として送らないといけない」
私 「OK、ならそうしてよ」
店員「・・・それが出来ない。故障した部品は昨日、廃棄してしまった」
私 「・・・マジで?」
店員「マジ。。」
そう、あの時に頭にチラッと浮かんだことをちゃんとその場で確認しておけば良かったんですが、気が付いた時には後の祭り。
私 「・・・そうか。でも、なら諦めるね、とは言えない金額だよね。。」
店員「言いたいことはわかる。でも故障品が手もとになければ返金ができない」
私 「分かった。こっちも店側で負担してでも返金してと言うつもりはないけど、なんか別の方法ないかな?」
店員「オーナーと相談して、後で電話する。。」
今までお世話になっているし、実際に修理してもらったので出来るだけ事は荒立てたくない。
でも、$700をはした金と無視できるほど私はお金持ちでは断じてない(笑)
いずれにせよその場では結論が出ないので、電話を待つことにして会社に行きました。
私 「ハロー」
店員「さっきの件、オーナーとも話した」
私 「ありがとう、それでどうかな?」
店員「やっぱり返金は出来ない。修理の際に予め言ってもらうべきだった…」
私 「こっちが悪かったってこと?でもそれ、ちょっとフェアじゃないよね?」
店員「気持ちは分かる。何とかしたいと思ってるけど物がなけりゃ仕方がない」
私 「それは分かっている。でも、もしも同じ立場だったら納得できる?」
店員「・・・もう一度、オーナーと話して電話する」
実はこの時点で返金は諦めました。
確かに$700のロスは痛いですが、電話でのやり取りでこの店員さんが(アメリカでは珍しく)「客である私のために何とかしよう」と誠意をもって対応してくれているのがひしひしと伝わってきたので、それだけでもう結構満足。
昼休みに入り、次に電話がかかって来たら何て言って水に流そうかなー、と考えていたその矢先。
私 「ハロー」
店員「待たせて悪かった。ひとつ、こちらからオファーがある」
私 「いや、別に急いでないから大丈夫。オファーって何?」
店員「残念ながらやはり修理代の返金は出来ない」
私 「うん、それはもう分かってる」
店員「その代り、次回以降の修理代から$500まで割り引きする」
私 「それ、今後のサービス代の支払が$500までは無料ってこと?」
店員「そう。それが精いっぱいだが、それでOKか?今後も是非うちを使って欲しい」
私 「もちろんOKだよ、サンキュー。君と話せて良かったよ!」
店員「こちらこそ、ありがとう!Have a great Day!」
残念ながら$700は戻ってきませんでしたが、なんかもっと精神面で得したような気分になりました!
アメリカの顧客サービスにはあまり期待してなかったので、ちょっとマジで感動しちゃいましたよ。
もちろん、後からまた「何それ、そんなの聞いて無いよ?」って言われる可能性はゼロではないですけど(笑)
そん時はそん時でまた食い下がります。
※ちなみに2018年10月に Smog Test のためこのお店に行きましたが、ちゃんと適用されましたよ!
ちゃんと500ドルのCredit適用された!😆
しかも今回は別の車なのに!!
やるやんフランシスコォッ!!(店員さんの名前)👨
別の車だから割引適用はダメよって言われると思ってたから、いと嬉すぃッ!😆
↓コトの顛末はコチラ https://t.co/MmqW4i9erb
— ユキヒョウ。@カリフォルニア駐在 (@Yukihyounet) 2018年10月4日
2018年12月現在も問題なく割引は適用されてますよ!!😄
アメリカ 突然の車のトラブル まとめ
車の緊急事態に備えてロードサービスへは加入しておくべき。トーイングはロードサービスに加入していても場合によっては自己負担が発生しますが、それでも年会費分はすぐに回収できます。
また、修理保証(Warranty)の適用可否は事前に確認を!
とは言え、自己責任の国アメリカ。
保証や補償など、受け身のままでいると本来得られるはずのベネフィットも受けられない可能性がありますので、是非、積極的な姿勢で取りに行ってください。
言ったもん勝ち、ではありませんが、言わなかったら何も得られないのは事実です。
あと、仮に最初の回答がNoだったとしても、簡単にあきらめずに再トライしてみて下さいね!
車が故障した際の注意点
- 車の緊急事態に備えてロードサービスは加入しておくべし
- トーイングは場合によっては自己負担が発生するので注意要
- 修理保証(Warranty)の適用可否は事前に確認を!
- 仮に最初の回答がNOでも簡単にあきらめずに再トライッ!
この記事がアメリカで生活されているあなたの参考になればとても嬉しいです。
▼アメリカ駐在 生活役立ち情報 へ▼
関連記事
【あわせて読みたい】
それでは、また。