アメリカのContinuing EducationにおけるESLプログラム(無料)で英語を勉強したい方へ向けた記事です。
あなたは英語力を伸ばすために、何らかのアクションを起こしたいと考えていますか?
こんにちは、アメリカ駐在員のユキヒョウ。( @Yukihyounet)です。
英語ってなんでこんなに難しいんでしょうか。。
学生時代から薄々感づいてはいましたが、自分でも驚くほど英語が苦手です。
赴任して間もない頃の話ですが、仕事だけでなく語学も頑張ろう的なチャレンジ精神が刹那に顔を出した結果、ESL(English as a Second Language)のクラスに通っていたことがあります。
今回は英語に自信のない駐在員がアメリカ赴任後、半年間、サンディエゴのContinuing Education(正規の学校教育以外の成人教育プログラム)のESLで英語を学んだケースを紹介します。
これにより、サンディエゴのContinuing EducationにおけるESLで英語を学ぶにはどうすればいいかが分かります。
- ESLとは何かが理解できる
- Continuing Educationが提供するESLクラスへの入学手続きと注意点がわかる
- ESLの授業内容、終了要件について具体的にイメージできる
ESLとContinuing Education
いくつになっても自ら望めば教育を得る機会がそこにある幸せ、それがContinuing Education。
ESL
ESLとはEnglish as a Second Language の略で、英語を母語としていない人が第二言語として話す英語のことを指します。
つまり、ESLプログラムとは英語を母語としていない人が第二言語として英語を学ぶためのプログラムを指しますが、私の知り得る限り、大きく以下の3つに分けられます。
- 大学や短大など正規の学校において、英語を母語としない留学生に対し、英語力を補強するために提供される英語学習プログラム
- 正規の学校外にて、成人教育または職業訓練として提供される英語学習プログラム
- 教会や図書館などで地域住民に対してボランティアの講師により提供される英会話クラス等
ひとくちにESLプログラムと言ってもその意味は異なるので注意が必要です。
今回、私は上記2.のプログラムを受講しました。
Continuing Education(成人教育プログラム)
サンディエゴの場合、San Diego Continuing Education (SDCE) が成人教育プログラムを提供しています。
こちらは正規の学校外での教育プログラムであり、大学の履修単位としては認められません(noncredit education)。
以下、SDCEのWebサイトより抜粋。
San Diego Continuing Education (SDCE) is the adult education division of the San Diego Community College District (SDCCD).
As the largest provider of noncredit education in California, SDCE’s mission is to provide accessible, equitable, and innovative quality education and career training to adult students.
San Diego Continuing Education/About us
(http://www.sdce.edu/content/about-us)
この成人教育プログラムのなかに、ESLも含まれています。
尚、San Diego Community College District (SDCCD)とはサンディエゴにあるコミュニティ・カレッジを管轄する組織です。
Community College/コミュニティ・カレッジ
参考までに、コミュニティ・カレッジとは公立の二年制大学のことを指し、その地域の住民に出来るだけ費用を抑えて大学教育ならびに職業訓練を提供することを目的に運営されています。
成人教育や生涯教育にも力を入れており、州・地域によってはコミュニティ・カレッジがESLプログラムを実施している場合もあります。
尚、アメリカには英語を母語としない留学生も多く学んでいるため、ESLプログラムを設けている大学は多く、英語に自信がない留学生はESLと通常の科目を組み合わせて履修する形が一般的のようです。
但し、卒業単位として認められるかどうかは大学によって異なるので、個別に確認して下さい。
Continuing Educationへ入学を申請をする(Application/Registration)
重い腰を上げて、まずは入学申請から始めましょう。
事前準備
ESLに通うには、まず、オンラインでContinuing Educationへ入学申請をし、学生証(Student attendance card)を発行してもらうための登録が必要です。
具体的な手順は以下の通りです。
Noncredit (no fee) Registration
- Apply online (https://cestudent.sdccd.edu/cereg/)*new students must complete an application online; returning students must update an application online
- Obtain a student attendance card (http://www.sdce.edu/services/student-attendance-card)at any campus(http://www.sdce.edu/organization/campuses)
オンラインでの申請が終わったら、キャンパス内のStudent Service Office(学生課事務局)に学生証を受け取りに行きましょう。
学生証の受け取り
受け取りの際の提示物については以下の案内があります。
Bring a picture ID that includes your name, date of birth, and picture.
私はカリフォルニア州の運転免許証を持参しました。
学生証を受け取りに行くタイミングでキャンパス内のESL事務局で登録手続きを行い、いよいよレベル分けの試験を受けることとなります。
キャンパスに行きESL事務局で登録手続きをする(Enrollment)
原則、希望すれば誰でも無料で通える素晴らしいプログラム。
ESL受講要件
SDCEのESLは原則、18歳以上でカリフォルニア州の住民であれば誰でも無料で受講が可能です。
但し、USCIS(米国移民局)の規則によりF-1ビザ(学生ビザ)、B-1/2(短期商用・観光ビザ)、または border crossing card(BBC)で米国に滞在している人は受講が出来ません。
また、学生ビザ取得に必要となるI-20(在留資格証明書、入学・在学資格証明書)も発行されません。
駐在員(またはそのご家族)であれば上記のいずれにも該当しないかと思いますので、特段問題は無いと思われます。
Eligibility
If you are 18 or older and a resident of California, you may attend classes.
Regulations set by USCIS (United States Citizenship and Immigration Services) prohibit individuals in the U.S. with an F-1, B-1 or B-2 (visitor) visa, or with a border crossing card from attending Continuing Education classes.
Registration is easy and classes are free.
For general classes, students must take a test to placed into the correct level class.
Choose a location that is close to you and visit during the registration times shown below with each campus.
San Diego Continuing Education/ESL Registration Information
(http://www.sdce.edu/esl/registration-information)
レベル分け試験
Student Service Office(学生課事務局)で学生証を受け取ったらその足でESL事務局へ行き、登録手続きをしたのちにレベル分けの試験を受けます。
ESL事務局の受付時間は曜日によって異なるので、事前に確認しておいて下さい。 ※上記URL参照
試験は筆記、会話、作文で1時間程度だったと思います(うろ覚え・・・)。
レベルは以下の通り。
ESL Level 1 | Beginning Literacy |
ESL Level 2 | Beginning Low |
ESL Level 3 | Beginning High |
ESL Level 4 | Intermediate Low |
ESL Level 5 | Intermediate High |
ESL Level 6 | Advanced Low |
ESL Level 7 | Advanced High |
Transition | Transition to College |
VESL | Vocational ESL |
下に行くほどレベルが上がり、Level 7くらいになると英語でのコミュニケーションに不便さを感じないレベルのようです。
Transition to Collegeはコミュニティ・カレッジ(公立二年制大学)への編入が可能なレベル、VESLは職務遂行上も問題が無いレベルの英語力。
ちなみに私(TOEIC 865点)は試験の結果、Level 5に振り分けられました。
尚、各クラスのスケジュールと場所は以下のWebサイトで確認できます。
San Diego Continuing Education/ESL Schedule
(http://www.sdce.edu/schedule#/esl)
注意事項
初日のクラスは欠席しないように気を付けて下さい。
無料のため、予算の関係上、各クラスに人数制限があり、ESLの申込み人数が多い場合はキャンセル待ちとなります。
そのため、初日を欠席するとそのクラスの座席を失う場合があるようです(キャンセル待ちに回る)。
授業内容/修了要件
せっかくやるなら最後までやり遂げたい、ゴールはいつだって自分の心が決めるもの。
授業内容
最初にクラスで使用するテキストと小説を購入します。(費用は全部で20ドル程度)
講師による講義(主にテキストを使った文法、発音、文章校正)のほか、グループワーク、プレゼン、グループ議論、英作文などを実施。
受け身にならず、自分から発信することに重点が置かれます。
一般的な日本人にとってはこれが一番苦手な部分だと思うので、良い練習になると思います。
小説はアメリカの中学生が読めるレベルのものを使用し、私のクラスでは「The Miracle Worker」を使いました。
宿題の量も多く、主に①毎週テーマごとの英作文と②小説を読んで10問程度の文章題に答えるもので、結構大変でした。
また、単元ごとに試験も実施されます。
ESLの講師は元教師も多く、指導レベルは低くありません。
講師曰く、州の教育予算削減により教諭職を失った公立校の教師がESLの講師になるケースが増えているとのこと。
また、クラスの試験結果次第で州からの補助金の給付額が変わり、それにより講師のボーナスにも影響があるようで、モチベーションは高い印象です。
一方で無断欠席等が多い生徒は途中退場となり、キャンセル待ちの生徒と入れ替わりとなります。
勉強だけでなく、クリスマスにはプレゼント交換もしました。
修了要件
ESLプログラム(Level 5)の修了要件は以下の通り。
リーディング(筆記) | 220/250点以上のスコア |
単元テスト | 全単元テスト中60%以上のテストで80%以上のスコア |
出席日数 | 60%以上(115時間以上) |
リスニング/スピーキング | 220/250点以上のスコア |
EL Civics | 合格 ※アメリカの歴史・文化・法制度等に係る試験 |
エッセー | 合格 |
上記を全てパスすると、最終日に講師よりCertificate of Program Completion(修了証明書)が授与され、次レベルのクラスへの登録申請が可能となります。
逆にパスできない場合は本人が希望しても次レベルのクラスには行けません。
私は週4日(月-木)、18:00~21:00の夜間クラス(Fall 2015、2015/9-2016/2)を受講。
仕事の後だったので疲れましたが、特に問題なく修了証明書を受領できました。
ちなみに一番危なかったのはやはり出席日数。
現在は体制変更に伴い仕事が忙しくなったこと、また、家族から出来るだけ一緒に時間を過ごして欲しいとの希望があったのでその後は通えていません。
アメリカ ESLで英語を学ぶ まとめ
SDCEのESLは原則、希望すれば誰でも無料で通える素晴らしいプログラムだと思います。
授業のレベル云々ではなく、自分からそういった環境に身を置く姿勢のほうが大事なんだと思いました。
Intermediateクラスだったのでレベルは高くありませんでしたが、日常の仕事とは別枠で英語学習に触れる機会を作れたのは非常にいい経験になりました。
アメリカで定職を得るために必死で勉強しているクラスメートを目の当たりにすると、それだけでいい刺激になります。
個人の経験に基づくものですが、このブログ記事がこれから英語力を伸ばすために何らかのアクションを起こしたいと考えている方の一助になれば幸いです。
駐在員(またはそのご家族)には直接的に関係ありませんが、私は海外での生活や語学学習に興味がある方には短期であれ長期であれ現地に留学することをお勧めしています。
なぜか?
もしも興味があれば、「海外留学のススメ」も参考までに覗いてみて下さいね。
ESLで英語を勉強するにあたっての注意点
- ESLとは英語を母語としていない人が第二言語として話す英語のこと
- ESLプログラムとは英語を母語としていない人が第二言語として英語を学ぶためのもの
- San Diego Continuing Education (SDCE) が提供するESLプログラムは無料
- オンラインで入学申請をし、ESL事務局を訪問して登録手続きは完了
- 試験結果により自分のレベルに合ったクラスに振り分けられる
- 初回を欠席するとそのクラスの座席を失う場合がある
- 修了要件を充足すると終了証明書が授与され、次レベルのクラスへの登録申請が可能となる
英語(基礎)学習に関する参考書籍
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それでは、また。
はじめまして。本日ESLについて調べていたところ、こちらのブログを拝見致しました。とても参考になりました。私は主人がeb5の移民プログラムに参加しており、来月面接をし数ヶ月後に渡米することになります。ESLの存在も最近知ったほど、何も調べておらず、、、どうしようかと焦っているときに本日あなた様のブログに出会い、このような無料の機関があることを知りました。コミュニティカレッジでのESLしか知らなかったものですので、驚きました。今はこれを機に、SDCEを主に調べております。そこで、いくつか質問させて頂きたいのですが(>_<)、ユキヒョウ様は週4、18-21時で通われていましたが、週5にしたり、1日の時間数を増やしたり、時間帯など自分で決めることができるのでしょうか。また何名と一緒に受講するのでしょうか。私は主人と出会って移民の話を知るまで英語の勉強をしたことがありませんでした。涙 英検5級レベルで、今は中学英語の基礎の教科書を読んでいます。そのレベルでも参加できるのでしょうか。お忙しいかと思いますが、もし返信して頂けましたら幸いです。ユキヒョウ様のブログは多くの不安を抱えた留学生や新移民の方のためになっていると思います。自己紹介文も拝見致しました。ご家族もあり、とても苦労をされてきた中での経験は、ご自身はもちろん、私のような日本人にとってもとても大切な経験だと思います。このようなブログに出会えたことに改めて感謝いたします。
くさかべさん
コメントありがとうございます!いただいたご質問にわかる範囲でお答えしますね。
参考にしていただければ嬉しいです!
>週5にしたり、1日の時間数を増やしたり、時間帯など自分で決めることができるのでしょうか。
クラスにより時間割が決まっいて、残念ながら自分で決めることはできませんでした。
昼間のクラス、夜のクラス、週末だけのクラスなどある程度オプションはありましたが、
時期によって異なるの思いますのでWebサイトなどでチェックしてみてくださいね!
>何名と一緒に受講するのでしょうか
だいたい20名程度でした。定員に達しても出席日数やテストや宿題の提出回数などの各種要件を
満たさない場合はそのクラスは退場になってしまうので、生徒の入れ替えも頻繁にありました。
>そのレベルでも参加できるのでしょうか。
出来ます!申込時にクラス分けのテスト(筆記、作文)を受けるのですが、そこで同じレベルの
同級生と一緒になるので心配はいりません。ホントにまったく英語ができない人もいましたよ!
ちょっと前に帰国して最近はブログ更新が滞っているのですが、励みになるあたたかいコメントありがとうございました!
また遊びに来てくださいね!
頑張ってください!